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ライティング専門店『ぽんずの部屋』の店長兼専任ライターの“ぽんず”です。
ファースト・リパブリック・バンク(FRC:First Republic Bank)とは、ニューヨーク(NY)やカリフォルニア、マサチューセッツ、フロリダ州に拠点を持つ富裕層向け資産管理サービスを提供する地方銀行です。
この記事では、ファースト・リパブリック・バンク(FRC)、シリコンバレーバンク(SVB)、シグネチャーバンク(SBNY)の米大手3行の破綻原因について詳しく解説します。
ファースト・リパブリック・バンク(FRC)なぜ破綻した?
ファースト・リパブリック・バンク(First Republic Bank)の破綻原因は、下記の3つが大きく影響したとされています。
1. 財務面のリスク
ファースト・リパブリック・バンク(FRC)は、貸出ポートフォリオが不動産開発事業に偏っており、不動産市況の変動による財務健全性が非常に不安定であることが指摘されています。
FRBが昨年2月を境に、5%近い水準まで金利水準を引き上げたことによって、不動産市況が落ち込み、不動産関連の貸出債権が劣化、不良債権となってしまい、特に米国の不動産向け融資の3割を占める地方銀行の財務を圧迫する可能性が高い状態です。
2. 米国の金融不安による預金流出
米国では、3月に米国最大の商業銀行とされるシリコンバレーバンク(SVB)、NYを基盤とする商業銀行シグネチャーバンクが相次ぎ経営破綻しています。
米国大手銀行が相次ぎ経営破綻した理由は、主に「金融不安」です。
米国の金融不安の主原因は、スイスを基盤とするクレディ・スイスをはじめ、各国大手金融機関の財務面での懸念がSNSを通じて、預金者間で急速に拡大したことによる資金流出が大きく影響しています。
3. 米国債の価格暴落
FRB(米国連邦準備制度理事会)による急速な利上げ、ないし金融引き締めによる米国債価格の暴落の影響から米国銀行のB/S(バランスシート)が悪化した。
国債価格の急落と、経済市況の減退によるノンバンクの収益性悪化、逆イールドも重なり銀行の収益性が格段と縮小してしまっているのが現状です。
経営破綻した「SVB」「SBNY」「FRC」大手3行の今後
- 「SVB(シリコンバレーバンク)」は、一度、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれた後、資産額米国30位のファースト・シチズンズ・バンクを傘下にもつ銀行持ち株会社ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズグループが買収に合意している。
- 「SBNY(シグネチャーバンク)」は、ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)傘下、フラッグスター・バンクが資産買収で合意しています。
- 「FRC(ファースト・リパブリック・バンク)」は、5月1日付けてJPモルガン・チェースが預金を含めた資産の買収を発表した。
米国の金融不安の拡大はこれで終末なのか?:まとめ
この記事では、米地方銀行ファースト・リパブリック・バンク(FRC)の破綻の真相や原因、その他の大手2行の「SVB(シリコンバレーバンク)」「SBNY(シグネチャーバンク)」の破綻原因について解説しました。
米国の金融不安は、SNSの発達が大きく、リーマンブラザーズによるサブプライムローンの過剰投資を発端とするリーマンショック時とは異なり、情報技術の発達により信用の収縮が想定以上に早く、資金が流出してしまったことが大きいとされています。
今後、米国の大手銀行の破綻が発生する可能性は未知数です。
しかし当局による救済、あるいは他銀行による買収という形で、応急処置がなされており、一部メディアからは「近い間に米国の金融不安は事態の収拾に向かう」といった楽観的な声もあがっている。